先週、運動会がぶじ終わりました。
わが家のミルティンくんことS志のてつぼう(前回ブログ参照)も、ぶじ成功しました!
でも当日の朝のS志は、表情がちょっとかため。
今までの運動会ではそんなことなかったのですが、
5歳にもなると、やはり緊張が出てくるようです。
「おなかがおもくなっちゃうと、てつぼうできなくなっちゃうから」
と朝ごはんはおにぎりのみにとどめ、
神妙な顔でボンヤリしたかと思うと、
いきなりハイテンションで踊りだしたりして、ちょっとへんな感じでした。
私も緊張しすぎると、ガチガチを通り越してへんなテンション(エセ関西弁を使いだすことが多い)になります。それでよく失敗します。
トンビがタカを産む現象によってS志は本番に強い子になるといいな、と夢を託してたんですが、やはり自分の子であった。
さて、わが家的メインイベントはもちろん、てつぼうです。
しかし運動会の魔物は、思わぬところにトラップを仕掛けていました。
運動会の花形、かけっこです。
かけっこは、開会直後に全クラスまとめて行われます。
ちょっと前は、公平を期すということで全員同時にゴールさせるところもあったそうですが、S志の保育園はガチ勝負。
順番を待つ列では、みんな真剣な顔をしています。
そんな緊迫した列のすき間に、S志がただひとり、フラダンスのようなものを踊っているのがチラチラ見えました。
今思えばそれがサインだった。
しかし私は例によって親バカモード(運動会スペシャル)だったので、「楽しそうー」とヘラヘラしていたのでした。
順番がやってきました。
5人ずつ1列になって、先生が「よーい」……
あっ!
S志!!
まだ「ドン」て言ってないよ!!
S志ーーーーーー!
「S志ーーーーー!」
同じレーンのお友だちが叫びます。
おかげで、ゴール前5メートル地点で無事ストップ。
「オットトトゥ」(with ピエロ的動き)とつぶやきながらスタートラインに戻ってゆきました。
そう、彼はすっかり、緊張しすぎによるへんなテンションに支配されていたのであります。
先生が気を取り直して、「よーい」……
「ドン!」
あっ!
S志!!
もう「ドン」て言ったよ!!
S志ーーーーー!
たぶん……
スタートラインに戻った直後、へんなテンションが急に冷却されたのでしょう。
そしてフライングという失敗の重大さに気づいた。
「大したことじゃなくね?」と思われるかもしれませんが、幼児にとってはおおごとです。
ましてS志は石橋をたたいて渡ることに命をかけている男です。
彼はスタートラインにたたずみ、ぼう然としておりました。
私はその顔が「なんかに似てる」と思って見てたんですが、今書いててそれがわかりました。前々回のブログで紹介したこの顔でした。
(しかしひどい写真だな……)
このできごとは、のちに「S志ウサイン・ボルト事件」(2011年世界陸上での歴史的フライングにちなむ)と呼ばれたとか呼ばれなかったとか。
しかし運動場からの帰り道、
「S志、かけっこ、みんなよりいちばんはやかったのみてた?」
と微笑んでたので、本人気にしてないみたいです。
「ビリッケツ」ではなく「独走」の思い出へと軽くシフト。これもてつぼう成功でつけた自信のなせるわざなのでしょうか。
その日の晩ごはん、
S志は食後の牛乳をいつになく豪快にゴクッゴクッと傾け、
「カーッ このさけがうまい」
と突然おたけんでました。ギャッ。
保育園の運動会には、きっとどの子にも、
それぞれのドラマがあるのだと思います。
大仕事のあとは、5歳児も一杯やりたい気持ちになるのかな。
なにはともあれその牛乳、めちゃくちゃおいしそうでした。