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    先週末、東京は日比谷公園でとあるお祭りが開かれていました。
    ふつうとは、ちょっと違うお祭りです。
    たとえば、射的をすれば、景品はトマト。
    アヒルレースの賞品は、みかんのつかみ取り権。
    ステージを見れば、シンガーソングファーマーなる歌う農家さんが、名曲「ばあちゃんの畑」を弾き語る。
    チビッコたちがわれ先にと集まっているのは、大型トラクター試乗コーナー。精米器で米をピカピカにしてはしゃぐ女子たち。
    そのうち広場では農家さんによるファッションショーが始まります。山ガールならぬ農ガール。ほほう今はこんなオシャレな服装で農作業できるんですか。

     

    それは、食と農の祭典「ファーマーズ&キッズフェスタ」。
    11/19・20の週末に行われたこのフェスタは、「子どもと農業をつなぎたい」という願いのもと、全国から農家さんなどが大集結したイベントです。自慢の農産物や郷土料理をどんどこ売って食べさせてくれるという! 大人も大喜びの催しなのです。
    日曜日、一家で出かけてまいりました。

    思いがけず酪農家さんやうしさんにも会うことができたのですが、その話はまたいずれ!
    いやもう本当、口に入れるモノみんなおいしくてですね。
    会場に入るなり、リンゴやらチーズやら焼きソーセージやらソフトクリームやらをもぐもぐしていた我々でしたが、違うんです。真の目的は食い気じゃないんです。

    「きょう、みるくこっぷちゃんに、あえるんだよね!」

    そう、このイベントに、ミルコップちゃんも登場するらしいのです。
    いつも見ている二次元イラストではありません。
    三次元へ飛び出した、等身大のミルコップちゃんです。
    わが家のミルティンくんことS志は、かなり前から会うのを楽しみにしていたのでした。

     

    しかし、等身大ミルコップちゃんて、どんなでしょう。
    私の予想ではこんな感じ。


    ややウチマタなところは演じ切っていただきたいです。

     

    さて、腹を満たした我々は、ミルコップちゃんがいると聞いたMILKJAPANのブースへ。
    あれれ? でも、どこにもいないぞ。
    ブースの中のスタッフさんに聞いてみると、

    「ミルコップ? あ、どこか行ってるみたいだなあ」
    「オイ、ミルコップどうした?」
    「あ〜ちょうど休憩入ってるんですよ」
    「もうすぐ来るんじゃないですか〜」

    実は気ままキャラなのかミルコップちゃん。
    待っている間、酪農家さんブースで牛乳とヨーグルトとカフェオレをおいしくいただくS志。
    と、はるか向こうからざわめきが……

    ズーンズ!

     

    ズーンズ!

     

    キ、キターーーーーー!

     

    ぷ、ぷよぷよ!!!
    そしてミルククラウンの勢いがスゴイ!。
    プワッとふくらんだ(ビニールの)質感が、はちきれんばかりの生命力を演出。メッシュ仕様の頭部が光を反射し、きらめく天使の輪がなんとも繊細な仕上がりです。

     


    足もぷよぷよですよ。
    そしてゆるいかわいさを生み出す扁平足&ややウチマタ。

     

    絶妙のハリ感が、子どもの「もみたい」衝動に火をつけるのか(私もよく脂肪をもまれますし)、さっそくミルコップちゃんはもみくちゃにされ始めました。

     

    見ているまにも幼児はどんどん増え続け、にわかに異様な熱気に包まれるMILKJAPANブース。
    ブースに設置されたテレビからは、
    ミルクラッパーshiboriの軽快なラップが流れております。
    チビッコ軍団たちは、ノリノリでミルコップちゃんにプヨンプヨンと体当たり。たまに倒れそうになりながらも、楽しげにステップを踏み続けるミルコップちゃん。

    ♪ デリバリー 1杯のコップのmilkが語りかけるstory
    品質&成分を check it up
    加熱殺菌 1,2,3
    このjapanese drink
    冷えた牛乳瓶を待つ 日本人

    ※「デリバリー」by shibori


    ずんどこずんどこ。
    この、体じゅうで刻むビートが、彼(?)が持つ唯一絶対のコミュニケーション法なのでしょう。たぶん。
    もちろんS志も、ずんどこずんどこ。
    「みるくこっぷちゃん、かわいい!!」とMAXハイテンションです。

     

    そうしてミルコップフィーバーは数十分ほど続いたでしょうか(けっこう長い)。
    スタッフさんがやってきて、ミルコップちゃんの手を引いて歩き始めました。「またねー」。手を振るスタッフさん。どうやら(中の人の)稼働時間のリミットが近づいているもよう。
    見送っていると、そのぷよぷよの背中に、S志がくっついて歩いていくではありませんか。

    「S志、どこいくの」

    「……おいかけてみるの」

    真剣な目で進んでいくS志。目がすでにストーカーなんですけども。

     

    道すがらもチビッコに囲まれるため、なかなか先に進みません。
    それをS志は、尾行慣れしたベテラン刑事のごとき辛抱づよさで静かに待っています。

     

    (中の人の視界の都合で)、花嫁さんのようにエスコートされて段差を上るミルコップちゃん。

     

    追うS志。

     

    ふと、私のなかにある心配がわいてきました。
    S志と同じくらいの年頃のことです。園のクリスマス会の途中でトイレに行ったら、サンタスーツを着用した七三分けの日本人(園長先生)が男子トイレでヒゲ付けてる現場を目撃したことがありまして。
    誰にも言えずに一日を終え、ふとんの中でひとり天井を見つめたあの夜。
    みんないずれは通る道だけれど、その日はできるだけ遠いほうがいいんじゃないか。でも、このまま行くと、S志も……。

     

    あっ

    ミルコップちゃんがとうとう着ぐるみ着脱可能領域に入った!

    続いて入ろうとしているS志。
    だめだめ、のぞいちゃだめだー!
    あわてて駆け寄ったその瞬間、

    仙台牛の串焼きを買いに行っていた夫が、奇跡のタイミングで戻ってきました!
    この、以心伝心(?)のファインプレーによって、
    幼児の夢あふれるミルコップちゃん像は、無事、守られたのであります! ぶはー。

     

    そしてその夜。
    ベッドに入ったS志が、「たのしかったねえ」としみじみしています。うんうん、良かった。

    嬉しくなって、聞いてみたのです。

    「S志、ミルコップちゃんと遊んで、どうだった?」

    「うん! なかに、にんげんがはいってた!」

     

    私はじっと天井を見つめました。

レシピ一覧
3月 モー子の桜色ミルクカフェ
2月 ミルコリー野のチーズdeショコラ
1月 ばあちゃんのぽかぽかミルク手当て
12月 サン太のミルククリスマス
11月 イモ子とクリ男のミルクキッチン
10月 ボンジョル野のミルクイタリアン
9月 マイクさんのミルクブランチ
8月 ケンちゃんの夏やすみるくアイス
7月 マサラ田さんの夏カレーセット
6月 コバヤシさんのミルク御膳
5月 陳さんのミルク中華
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