• ミルティンママのお家 de クリームチーズ

     

     

    この間、仕事先に打ち合わせに来たA田さんと、
    チーズケーキの話になりました。

    ご主人が先生をしているA田さんは、お料理上手でおもてなし上手。彼女はおもてなしのとき、チーズケーキを焼くことが多いらしい。

    「人によって、チーズケーキっていろんな思い出とか好みがある。話のきっかけがチーズケーキにいっぱい詰まってるから」

    なるほど。確かにチーズケーキって種類が多いし、昔からあるからお母さんの手作りの思い出、はじめて食べたチーズケーキの思い出とかいろいろありそう。私も思い出あります。「うまくつくれたこと無し」という思い出が。はい。
    「クリームチーズをクリーム状にやわらかく練る」あたりで体力気力ともにくじけるのよね。

    そんなことを思い返す私に、A田さんがなにげなく放ったひと言が始まりでした。

     

    「家でつくったクリームチーズでもすごくおいしいですよ」

    「えっA田さん、チーズつくれるんですか? す、すごい!」

    「いやいや、カンタンなやつなの。母から教えてもらったんです」

     

    そう言って、A田さんが教えてくれたクリームチーズの作りかた。
    これがほんとうにカンタンでした。

    もしやお家でクリームチーズ作るってけっこう一般的なのかな。私が知らなかっただけなのかな。そんな気もするくらいカンタンなのです。これは、つくってみるしかないですよ!

     

    材料はこちら!

    〈だいたい200gぶん〉
    ・成分無調整の牛乳500cc
    ・ヨーグルト(無糖)大さじ1
    ・生クリーム60〜70cc
    ・レモン汁40cc


    これだけです〜

    レモンの酸で、水分を分離させて作るのですね。
    なるほど~。
    ※よくあるクリームチーズは、
    生乳を乳酸菌発酵とレンネットという酵素で凝固させ、
    クリームを加えて作るそうです
    (日本酪農乳業協会「牛乳・乳製品の知識」より)

     

    ではつくります!

     

    ①牛乳を湯煎で35〜38℃にあたためます。

    両手鍋にお湯を張って、中サイズのボウルに牛乳を入れました

    最初にお湯を40℃にしてから、ボウルを入れて弱火にしておくと、ゆっくり温度が上がって安心でした。

    しかし湯煎って、けっこうすぐ温度が上がるよ! あまりやったことがなかったので1回目は失敗しましたよ……! 中火にかけたら一気に50℃まで行ってしまってやり直しました(ホットミルクで飲みました〜ほかほか)。

     

    ②あたたまったら火からおろし、ヨーグルトと生クリームを混ぜる。

    よく混ぜてなじませます

     

    ③レモン汁を少しずつまわし入れて、同じ方向にゆっくり混ぜる

    ゆっくり全体を混ぜます。がしゃがしゃ混ぜないのがコツ

    同じ方向に、ゆっくり静かに混ぜるのがいちばんのポイントのようです。ここで強くかき混ぜると、ぼそぼそしてうまく分離しないのだとか。

     

    ④30分ほったらかす。そのあいだに容器とぬれぶきんをスタンバイ

    清潔なふきんを固くしぼって、こんな感じでかぶせます。ハンドミキサーの付属品だったジュースづくり用容器を使いました

    容器は高さがあると、水切りしたあと冷蔵庫に入れるまでひとつの容器で済むので便利でした。いい容器がないときは、ボウルにふきんを張って水切りしたあと、つるす行程(⑥⑦)だけ大きめのコップなどでやってもよさそうです。

     

    あっ30分経った! どうでしょう!!

    パッと見よくわからんのでした!

     

    ⑤容器に注ぎ、1時間ほどほったらかす

    このドロドロが本当になんとかなるんですかねえ……

     

    1時間経った! どうなったかというと!

    まとまり感が出てきたぞ。容器には分離した乳清(「ホエー」ともいうそうです)がたまっています

     

    ⑥ふきんの口を結び、つるしてさらに乳清を漉す

    輪ゴムで結んで、おはしを両側に差してつるしてみましたよ

     

    ⑦そのまま室温で2〜3時間ほったらかす

    ぽたん、ぽたんと落ちる乳清がのどかですわ


    ⑦そのまま冷蔵庫でさらに半日冷やして、できあがり!

    実は、晩ごはんのころ仕込むのがおすすめだそうです。「寝る前に冷蔵庫に入れれば朝ちょうどできてるから」とA田さん。金曜日に仕込んで、お休みの日の朝ごはんに食べるのいいなあ。

     

    さて、できたかな?


    「これあけるのS志やる! チャラララララ〜(セルフBGM)」。保育園から帰ったわが家のミルティンくんことS志による、開封の儀

     

    できておる!

     

    こ、こんなにちゃんとかたまるのですね!
    包丁を入れてもまったくばらけず、なめらかにストンと切れる感じ。うんうん、これは確かにクリームチーズの質感!

    食べてみると、
    舌ざわりはとてもなめらかで、口のなかでふわんと溶けます。

    本家クリームチーズは発酵させたものにさらに圧力をかけてみっしりと成形しているため、口あたりも風味が濃厚ですが、お家クリームチーズは口あたりふわっ、後味さらり。
    牛乳と生クリームのコクに、さわやかなレモンの風味が生きてる。これだけで食べても、上等なデザートみたいです。

    あのドロドロをふきんに流し込んだときはどうなるかと思いましたけども、牛乳半パック+生クリームで、ちゃんとおいしいクリームチーズができちゃうのですねえ。しかも、ほとんどほったらかしなのに。

     

    というわけで、晩ごはんのあとのお楽しみにしました〜

    はちみつをかけてみました


    はちみつとすごく合うー。そして、固まっているといっても、スプーンでつぶすとなめらかになるので、ジャムとかと一緒にパンにつけるのも楽しそう。本家よりも「とにかく扱いやすい」っていうのも良いところです!

    S志も「これはおいしいものだわ」と、おとなりさんにもらった野沢菜に舌鼓を打つじいさんのような表情を浮かべて味わっていました。

     

    ……

    こうなったら、あれも気になるなあ。

    そしてS志が寝静まったころ……

     

    チーズケーキを焼いてしまいました。


    クリームチーズは2玉つくったので、1玉をチーズケーキに

     

    どんなチーズケーキになるのかやってみたい衝動に襲われたのです…

    やっぱり、ラクでした! やわらかなこのクリームチーズを使うと、「クリームチーズをハンドミキサーでやわらかく練る」っていう行程がまるごといらないのです。いつも苦労する、砂糖も卵も混ざりやすい。
    味は本家チーズを使うよりも、さっぱり軽い口あたり。レモンの風味がまだ生きていて、レモンタルトに似た味わいもあります。濃厚なのもいいけれど、これもおいしい!

     

    「おいしいものつくろう」よりも私の場合は「これどんな味になるのかな?」がお料理熱をアップさせてしまうんだなあ。牛乳って、そういう意味ですごく面白いのですよねえ。

    としみじみしつつ、帰宅した夫の「深夜に何食べてんの……」という目を横にチーズケーキを味わう、冬の夜でありました。

     

レシピ一覧
3月 モー子の桜色ミルクカフェ
2月 ミルコリー野のチーズdeショコラ
1月 ばあちゃんのぽかぽかミルク手当て
12月 サン太のミルククリスマス
11月 イモ子とクリ男のミルクキッチン
10月 ボンジョル野のミルクイタリアン
9月 マイクさんのミルクブランチ
8月 ケンちゃんの夏やすみるくアイス
7月 マサラ田さんの夏カレーセット
6月 コバヤシさんのミルク御膳
5月 陳さんのミルク中華
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