とつぜんですが、
自分の名前を変えたいって思ったこと、ありますか?
お父さん・お母さんにとって、子どもに名前をつけるっていうのは人生最大のミッションではないかと思います。
私も、わが家のミルティンくんがまだおなかにいるころ、どんな名前にしようかさんざん悩んだものでした。キラキラネームが流行るイマドキだからこそ、いっそ超古風な名前にしたほうが目立っていいんじゃないかとかですね。
まあ、当然なんですけどこの血迷ったマイリストは、夫の「ハア?」の一言によって霧散。
今考えると、S志でよかった。ウン。
昨日、夕ごはんのそうめんをすすっていたS志が、こんなことを言い出しました。
「S志さあ、パパのなまえになりたい」
「あーはいはいパパみたいに大きくなりたいのね。じゃあいっぱい食べないといけないよおっ。ホラッ、ワカメもあるよ、さあ、さあさあ!」
※夕ごはんは私にとってS志の食べムラとの戦いであるため、S志のすべての発言は食べさせる方向へと脊髄反射でこじつけられる
「チガウ! ママ、S志のおはなしきいて!」
「えっ? なんだっけ」(我に返った)
「パパのなまえはさあ、4こじゃん。ことばが」
「そうだね、ひらがなにすると4文字だね」
「S志のはさあ、3こ、じゃん」
「うんうん」
「S志、4このなまえがよかった」
「え、そうなんだあ」
「なんでさあ、S志は、S志なの……」
S志は生後5年目にして、はじめて自分の名前に疑問というか興味を持ったようです。
考えてみると、保育園のお友だちって男子は3文字か、いっそ5文字(シンタロウとか)の子ばかりなんですよね。4文字の子がいない。
S志にとっては4文字の名前が珍しいから、カッコ良く感じるのかな?
私の世代(アラサー)だと、ヒロユキとかマサヒロとか4文字男子もたくさんいたせいか、文字数意識したことはなかったな。
すごく憧れてたのは、「子」が付かないアカネちゃんやサクラちゃんの名前でした。最近は、「●●子」フォーマットの名前もめっきり見ないですねえ。
「じゃあ、S志はどんな名前になりたかったの?」
「あのね、『いち』がつくなまえがよかった」
「イチ……。誰かそういう名前の子がお友だちにいるの? コウイチとか?」
「ううん。あのね、なんでかっていうとねー」
と言ってS志はニコニコして立ち上がり、そのへんにあった折り紙を引っぱってきて、鉛筆で「一」とヨコ棒を書きました。
「『一』は、かんじでもうおなまえかけるじゃん!」
あー、そういえば!
小学校のころ同じ学年に「一人(カズト)」くんっていう子がいて、みんながひらがなで名前書いてるなか早々に漢字デビューしていて、一番のりで脱皮したみたいでカッコ良かったなあ。私の名字はよりによって画数てんこ盛りの「寄藤」だったので、すごくうらやましかったです。
将棋の名人で「加藤一二三」(ヒフミ)さんって方がいらっしゃいますけど、あの名前とかもう子ども界では貴族の称号レベルですよ。
そうかそうか、漢字で書きたかったのか。
「いまの名前を変えたい」とか切実な気持ちじゃないようですね。
小学生時代の私が「ジュヌビエーブ=ド=セルニーヌ」になりたかったようなレベルか(「怪盗ルパン全集」ファン)。
そのあと、「S志とそうめんってさ〜、なまえがにてるじゃん。だからそうめんすきなんだあ〜」と言いながら夕ごはん食べてましたし、それなりに気に入ってるはず。たぶん。
余談ですが、私の「牧子」という名前は「ウシのようにのびのびと育ちますように」って意味でつけられたらしいです。これ小学校のとき出た「名前の由来を親に聞く」っていう宿題ではじめて親に公開されたんですけども、「つまりウシ子……!」と白目むきましたよ(ジュヌビエーブになりたい乙女だったゆえ許してくださいウシさん……)。
でも、息子の牛乳大好きぶりといい、なんだかご縁を感じる最近。今ではけっこう気に入っています。