サンタさんが牛乳を飲む理由?
なんだか、あっというまに12月も折り返しましたね。
早くも、今週末、クリスマスですかあ……(薄れゆく現実認識)
そうそう、
クリスマスといえば、わが家では、牛乳の出番です。
わが家のミルティンくんことS志4歳のころから、
「クリスマスイブには、サンタさんのクッキーと牛乳を用意する」
というのが毎年恒例となりつつあります。
昨年「ミルティンくんと、サンタの牛乳」でも書きましたが、子どもが寝ている間に、クッキーをひとかじり、牛乳を半分飲んでおくのです。これが、サンタさんが来た証拠。
S志も、ドキドキして牛乳をコップに入れて、翌朝は起きるとまっさきにコップ見て、大喜びしてました。こういう、目に見える「サンタさんきた」感じって楽しい〜。
【思ひ出】4歳のクリスマス
【思ひ出】5歳のクリスマス
サンタ来訪前(右)と来訪後(左)
2年前までまったく知らなかったのですが、
こういう習慣は欧米ではわりと一般的なのだそうです。
周りでも「うちもやってる」という人がけっこういて、私も仕事先の先輩ママさんに教えてもらったんですよねえ。
ビスケットの枚数が増えたり、トナカイ用にニンジンを置いたりしているお家もあったり、みんなそれぞれ楽しそうなのですが、どこも共通しているのが「牛乳」なことなのです。
どうして、サンタに牛乳なのかなあ?
それがわりかし最初から疑問だったのでした。
S志にたずねても、
「サンタさんはおひげがしろいから、ぎゅうにゅうもしろくてすきなのー」
と乙女な返事が返ってくるばかりだし……。
今年のサンタ牛乳を実行する前にちょっと調べてみようかな?
と思い立ってあっちゃこっちゃしてみたところ、もしかして……という話を見つけましてですね。
今日は、ちょっとそのお話をご紹介したいと思います。
日本から時差8時間のはるか遠く、北欧のクリスマスの話です。
サンタクロースといえば、赤い洋服に白いヒゲもじゃもじゃ、でっぷり感のあるあの方でございますね。
でも、北欧には、赤い服だけどもっと小さな妖精がいます。
スウェーデンでは「トムテ」、ノルウェーやフィンランドでは「ニッセ」と呼ばれていて、どちらも同じようなもの。クリスマスにはおなじみのキャラクターだそうです。
サンタさんはプレゼントを持ってきてくれる人ですが(非常に勝手な解釈)、このトムテ(ニッセ)は、屋根裏や納屋などに住んでいて、そこの農夫や家族の暮らしを楽にしてあげるのが仕事なのです。地に足のついたお方ですね。
でも、いつでもやさしいわけではないらしい。
怒らせると家畜にいたずらをしたり、病気や不作に見舞われる。逆に、喜ばせてあげると、牛の乳の出が良くなったり、農作物が豊作になったりするのだとか。
だから、トムテにご褒美をあげて、喜ばせないといけない。
そのご褒美というのが、牛乳でつくったお米のおかゆなのだそうです!
ミルクがゆはトムテの大好物とのことで、クリスマスの時期には、家のすぐ外や納屋などに、トムテのためのミルクがゆを出しておきます。
これは、今でも北欧ではごくふつうの習慣として残っているそうです。
ミルクがゆは、北欧のクリスマス料理としても一般的とのこと。
お砂糖とシナモンが入った甘いもので、中に、アーモンドをひとつぶ入れるのがお約束。
家族で取り分けたとき、アーモンドが当たった人は幸せになるのだとか。
このしくみは、新年に食べるフランスのガレット・デ・ロワ(陶製のちいさな人形を中にしのばせた焼き菓子)にも似ていますね。
北欧雑貨のお店で、小人がなべをかきまわしてたり、白い何かをうれしそうに食べてる絵のついたナプキンを見たことがあったんですけども、「なるほどこれか!」と膝を打ってしまいました。あれミルクがゆだったのかあ! 絵のモチーフになるくらいおなじみの光景ということでしょうか。
※以上のトムテ(ニッセ)のお話についてはスカンジナビア政府観光局HP「コペンハーゲン絵日記」、スウェーデン大使館ニュースレターを参考にさせていただきました
北欧ではクリスマスのミルクがゆがごちそうなんですね。
大切な妖精にふるまっていることでも、それがよくわかります。
ごちそうといえば……ふと昔話の「かさじぞう」を思い出しました。
おじいさんとおばあさんが、なんとか年越しのお米とごちそうを用意しようと、ない材料をかき集めて笠を編んで売りに行きますよね。ひとつも売れないんだけど。子ども心に切なくて、おじぞうさまがごちそうを届けてくれたときはほっとしたな〜。
昔の北欧で、クリスマスのごちそうを用意するのも、同じだったのではないでしょうか。
寒い冬。きっととても大切な牛乳だったはずです。
やっと集めた牛乳を、家族でおかゆにして分け、ひと皿を守り神にお供えする感じだったのかな。
トムテとニッセと、サンタクロースにどんなつながりがあるかはわからないのですが、どうしてどちらも、大好物が「牛乳」なのか。
そこには、牛乳と深く長く関わってきた欧米の人たちの、暮らしの歴史と伝統が息づいているような気がしましたよ。
クリスマスイブ当日牛乳買い忘れたりした場合、「ま、今年はジュースでいっか!」とか思っちゃいそうな私でしたが、うむ、ちゃんと用意しておこうっと思います。
そうそう、フィンランド外務省のサイトにクリスマス用のミルクがゆの作り方が載っていました! ここに紹介させていただきますね。興味がある方はぜひ! ちなみに翻訳はとてもざっくりです。でもレシピそのものもこれはかなりざっくりですよ。ええ。ちゃんとできるんですかね……やってみようかしら(鼻息)
Rice porridge
〈材料(10人分)〉←10人分って……!
水 2カップ
牛乳 6カップ
お米 1と1/4カップ
塩 小さじ1と1/2
アーモンド 1粒
(for 10 people)
2 cups (1/2 litre) water
6 cups (1 1/2 litres) milk
1 1/4 cups (3 dl) rice
1 1/2 teaspoons salt
1 blanched almond
①牛乳と水を沸とうさせ、お米を加える
②お米が炊けるまでくつくつ煮る。アーモンドと塩を加える。シナモン、お砂糖、牛乳を仕上げにかける。
1. Add the rice to the boiling milk and water mixture.
2. Simmer until cooked. Add the salt and one blanched almond. Serve with ground cinnamon, sugar to taste, and milk.
*アーモンドが当たった人には幸せがもたらされると信じられています。
NOTE: The almond is believed to bring good luck to the person who happens to get it.