十五夜で始まった今週なのに、まだ夏の暑さですね。
週末は家族3人で近所の山にのぼり、今さらガッツリ日焼けしてしまいました。
秋と思って油断しました。
ロスタイムでシュートを決められるかのような、
こんなドーハ焼け(1993年サッカーワールドカップ予選敗退の悲劇にちなむ)に皆さんご注意ください。うう。
なでしこジャパンはロンドンオリンピック出場確定、めでたいですね。
今ではすっかり遠く感じる7月の始めに、
一冊の古本を手に入れました。
『みそ汁風土記』(毎日新聞社刊)
昔から古い本がわりと好きでして、
なかでも「風土記」と名前のつくものに目がなく、今回も東京・神保町の古本屋さんでこれを見つけて、ウホウホと買って帰りました。
よろこんだ割に放置しておりまして、先週、ようやく開いてみたのです。
著者の川村渉さんは明治生まれの食物史家で、刊行当時の昭和48年には「全国みそ連合会」なる団体の広報部長。
当時は、「みそ先生」として新聞・雑誌などで活躍されていたようです。
この本は、日本各地のみそにまつわる言い伝えや生い立ちがやわらかく書かれたエッセイ集なのですが、後半は、みそ先生おすすめのみそ汁・みそ料理のレシピが並んでいます。「どん亀汁」「デラックス金山寺みそ」「コロッケみそ豆腐」など、みそワールド大展開の見出しに混じって、
「牛乳みそ冷や汁」というのを発見。
「老人にも子供にも評判のよいみそ汁」と紹介されてます。
試食会を開催したところ牛乳嫌いのお年寄りにもよろこばれたそうで、さらに「みそ汁嫌いの子供までが、よろこんで飲んでくれる」とちょっと誇らしげ。
どうやら考案したのは、みそ先生自身のようです。
「しかし牛乳にみそ汁って……おいしいのかなあ」
なんかドロドロしてそう……。
根拠はとくにない不安が胸をよぎりましたが、みそ汁も牛乳も大好きなS志がよろこぶかもしれないなあと思い、試してみたのです。
本にはこのように書かれていました。(番号はM子記載)
①「前夜のみそ汁の残りを、鍋のまま冷蔵庫に入れておき」
②「朝、これを冷たい牛乳で倍量にして塩分を薄め」
③「トマトをさいの目に切って入れ」
④「これを魔法びんに入れて魚釣りに出かける」
……具は釣るの? これから、釣る……!!
と一瞬、月影先生の眼(『ガラスの仮面』参照)になりましたが、よく読んだら、続きに
「これは私の道楽に欠かせないスープである」
って書いてありました。
みそ先生の個人的楽しみがさりげなくレシピに入れられてただけです。
とてもカンタンにできました〜。
もとは、ほうれん草としめじのみそ汁です。
むむ! 意外に塩味がビシッと効いています。
キレが異常にいい濃厚ポタージュのような感じ。おいしいです。
冷たいトマトがアクセントになって、これ1杯で「手間のかかったお料理を食べた」満足感があります。
S志の朝ごはんにしました。
(カメラ構えてるすきにゴーカイジャー図鑑入れられてた)
これ、暑い季節の朝ごはんにぴったり。
シャキッと目が覚めて、寝起きのお腹にもがっつり収まります。
S志も「これはおいしいものだね〜」と完食しました。
「これはおいしいものだね〜」の評価が手料理に下るのは、先月作ったししゃもフライ以来です(安あがり)。
塩分控えめだから、確かにお年寄りや子どもにやさしいですね。
【ここにご注意】
冷やすのがキモ……
この次の日は、みそ汁を冷蔵庫に入れ忘れてしまって「いいや常温でも〜」と牛乳を入れたら、ひいいとなるほどおいしくありませんでした。
海藻類は不協和音……
ワカメみそ汁でもやってみましたが、
煮込まれたワカメと冷え冷えトマトのケンカっぷり、
関ヶ原の戦いにおける家康・三成のごとし。
ちなみに、残りものを使わずに新しくつくるなら、
鰹節も煮干しも昆布も入れないほうがいい、と書かれていました。
「牛乳がみそのだしにぴったりなので」とのこと。
私もお料理の先生に聞いたことがありますが、牛乳そのものにうまみがあるんだそうです。
そうそう、ミルクジャパンでも、「春キャベツのミルクみそ汁」が紹介されています。こちらはあたたか〜いみそ汁。
うーん、牛乳みそ汁、いろいろ試したくなってきました。
近々、ミルティンくんとミルクラボを設立しようかな。
【おまけ】 みそ先生の「みそカレー」レシピ
「インスタント・カレーだと味つけもできているが、
これに煎り胡麻をすり、甘味のみそを溶かしてまぜると、
アラビアンナイトの味がする」
みそ先生、とてもステキな人だったんでせうね。