• ミルティンママの食べムラ防衛計画

     

    この間はすごい嵐でしたね。
    春の嵐が来ると、いよいよ冬は終わったなという感じ。
    でも吹く風はまだひんやり。冬と春のすき間でアレレ?とちょっと宙ぶらりんな気分の4月スタートです。
    はやく、パァ~と春になってほしいです。

     

    さて、今週はちょっと嬉しいことがありました。

    私には、この5年間、しつこーく悩んでたことがありまして。
    それは、わが家のミルティンくんことS志の「食べムラ」です。

    食べることに集中できなくて、残したり、ダラダラ食べたり。
    赤ちゃん時代よりはずっと食べるようになった今も、夕ごはんを完食するのは週1回あるかないか。
    ささいなことなのに、子どもの食べっぷりって、親の気持ちを揺さぶるんですよねえ。
    おかずが残ったお皿を流しに運ぶと、肩にどっと疲れがきたり。
    逆に、ぜんぶ食べてくれた日は、パーッと心が晴れやかに。
    自分でもふしぎです。種の保存みたいな、本能の一部なのかなあ。

     

    先日の夕ごはんのときのこと。
    食べ終わってもいい時間なのに、S志のお皿にはまだブロッコリーがごろごろ。

    「ね、ブロッコリー食べようよ。茎までやわらかいし、マヨネーズ付けるとすごくおいしいよ」
    「もうおなかいたくなっちゃったから、ごはんたべられないの……」

    私の誘いに、S志は彼の持ち札のひとつ、弱い子モードで対抗してきました。
    ※弱い子モード…幼児の防御モードのひとつ。ほかに「足がいたくてあるけないの」「こどもだからわからないの」などがある。

    くっ、弱い子モードはうかつにツッコむと傷ついたりして面倒なのよ。攻めあぐねていたそのとき、ふとテーブルの上の宇宙怪獣エレキング(S志愛用の人形)が目に入りました。
    あっそうだ。

    「ブロッコリーってさ、ホントは木だって知ってた?」

    思い切って離れワザを繰り出してみた。

    「ほんと?」(やや薄目)
    「よく見てごらん。小さい木のかたちじゃん。これ、食べられる木なんだよ」
    「……ほんとだあー!」

    ヨシ食いついた!

    「S志、この木食べたら怪獣みたいだよ! S志怪獣、こわーい!」(迫真のブリッコ演技)

    すると、先ほどまでどこぞのサナトリウムの病弱少年を気取っていたS志の目は、みるみる、キラキラしてきました。

    「はっはっは! かいじゅうが木をたべちゃうぞー」

    もうすっかり怪獣気取り。
    あっというまにブロッコリーをがぶり! ムシャムシャと!
    や、やった〜。

     

    そういえば自分も小さいころ、母親に「肉のあぶら身はガムである」と言われて、喜んで食べてた記憶があります。「ガムだガムだ~」と兄や姉の肉からもあぶら身だけ奪い取って食べてました。思春期と同時に、「これ単品で食べるのオカシイわ」と気付きましたけども。
    そうだ、あの言葉の魔力、すごかったな。
    (しかしそこまでして食べさせるものだったのか、あぶら身。)

     

    この作戦成功がうれしかったのでいろんなところで自慢したところ、「うちもやってるよ」というお母さんがたくさん。
    「昔、親にやられた」という人も、これまたたくさん。
    たべものの好き嫌い対策に、この「なりきり方式」はわりかしメジャーなのですね。もっと早く思い出せばよかったです。
    もしかしたら同じお悩みの方もいるかな? と思うので、いくつかパターンをご紹介してみます!

     

    case1

    「怪獣なりきり」

    今回私がチャレンジしたパターン。
    男子にはだんぜんコレがおすすめですっ。
    ヒーローごっこに夢中でなかなかごはん食べない子には、食卓につかせるのもスムーズで一石二鳥です。

     

     

    case 2

    「どうぶつなりきり」

    同じクラスのM里ちゃんママに聞きました。
    そういえば、子どもって「どうぶつ」と「どうぶつの好きなたべもの」をセットで覚えてることが多い! 子どもの習性をうまく利用してるなあーと感心しちゃいました。

     

     

    case3

    「ほっぺた落とすなりきり」

    「親が言ってた」とコレを挙げる人が多かった!
    なりきり使用率、ダントツ1位です(当社調べ)。
    夫の両親は2人ともとても厳しい人だったそうなのですが、クリームシチュー(嫌いだったらしい)の日だけは「うまい!ほっぺたが落ちたあ!」「お父さん、こっちにころがったわよ!」という小芝居が展開されたそうです。愛を感じます。

     

    ちょっと逸れますけど、「ほっぺたが落ちる」って今言わないのかな?
    30代の同年代にはおなじみの慣用句ですが、20代の女子2人に聞いたら、知らないそうで! 思わぬジェネレーションギャップ。親世代以前に流行ったことでもあったのかな?

     

     

    case 4

    「スター食材なりきり」

     

    3歳の女の子のママTさんから。
    Tさんの娘さんはS志と同じく牛乳大好きっ子なのですが、ヨーグルトが苦手。そこで「これは、プリンなの。ミルクプリンなのよ!」と独自の刷り込みをほどこしたところ、よろこんで食べるようになったとか。「『プリン』と付けるとだいたい何でもいける」とTさん談。プリンやアイスなど子どもにとってスターな食材とつなげる方法です。私の「あぶら身はガム」もこれか。

     

     

    case5

    「強くなる魔法なりきり」

    アニメ「ポパイ」のおかげで、ほうれん草をたくさん食べられるようになったアラサー・アラフォー世代は多いのでは? 私もそうで、ほうれん草はいまだに大好きです。
    牛乳も、このパターンが使われる代表格ですね!
    S志も、よく「ぎゅうにゅうは、おおきくなるおくすりなの」と言って飲んでいます。それも牛乳好きの理由なのですよね。

     

    そういえば昔、食べムラの悩みを相談した小児科の先生がこう言ってたっけ。

    「子どもは、体の欲求をがまんしたりしません。だから、少なく見えても、必要なぶんはちゃんと食べてるよ。心配しなくて大丈夫だよ」

    ほんとは気楽に構えていいんですよね。
    なりきり方式は、お母さんたちの肩の力も抜けていいんじゃないかな。
    きっと、子どもの数だけ、いろんなパターンがあるんだろうなと思います。
    それは子どもの食欲に一喜一憂するオトナの数でもあります!

    皆さんの子ども時代は、いかがでしたか?

レシピ一覧
3月 モー子の桜色ミルクカフェ
2月 ミルコリー野のチーズdeショコラ
1月 ばあちゃんのぽかぽかミルク手当て
12月 サン太のミルククリスマス
11月 イモ子とクリ男のミルクキッチン
10月 ボンジョル野のミルクイタリアン
9月 マイクさんのミルクブランチ
8月 ケンちゃんの夏やすみるくアイス
7月 マサラ田さんの夏カレーセット
6月 コバヤシさんのミルク御膳
5月 陳さんのミルク中華
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