ミルティンくん、ママになる?!
こんにちは。
昨日は、金環日食につづく天体ショー、金星の太陽面通過の日でしたね。
しかし、私たちの住むまちは、朝から小雨しとしと。
おひさまのほくろ、見たかったです。
というかそれ以上に、悔やまれることが……
この日のために購入した日食メガネ浅倉大介モデル↑
意外と高かったんでゲス。
金環日食が過ぎて需要を見限られたのか、近所レベルではもう日食メガネ売ってなくて。通販で。送料とかかかって。わざわざ。いまさら。
まあ、でも、宇宙と地球のドラマはまだまだ続きますからネ!
次回2030年に北海道で観測される金環日食の日まで、大切に保管していきたいと思います。
あと18年後、わが家のミルティンくんことS志は23歳です。きっと荒波にぶつかりまくるころ。5歳児のころの初心にかえる、いい機会になるであろう。
それを逃すと、次に使えそうなのは2035年の皆既日食。S志28歳。社会人6年目、人生の転換期ね。
その次は、2041年に東海〜近畿で観測できる金環日食。S志34歳。
M子63歳。
浅倉大介さん74歳。
ふー、宇宙の時間スケールは壮大だ。
そんな気の遠くなる話があるいっぽうで、
今日はわが家にやってきた、小さな時間の持ち主のことを書きます。
4月から、わが家には、某しま●ろうが活躍するチャレンジな通信教材セットが届くようになりました。夫が、なにを思ったのか(たぶん息子の学力への危機感)、突然申し込んだんですよ。
私は通信教材って経験がなくて何となく慣れないのですが、S志は「おべんきょうするのー」と毎度とっても楽しそうではあります。
10日ほど前のこと、
S志と夫がテキストを見ながら、ベランダでなにやらごそごそしていました。
「よし、S志、これで土をかきまぜて……」
「おみずはこれであげるの?」
「まだ、タネまいてないから!」
「できた〜」
「できた〜」
翌朝、S志はいつもより1時間近くも早起きしてました。
となりでガバっと起きて、驚くべき寝起きの良さでリビングへ駆け出していったのであります。
ナニゴトかと思ってついていくと、
何かを手に持って、とっても大切そうに、ソローリ、ソローリとベランダへ向かっている。
ベランダに置いていたのは、これでした。
「あのね、おじぎそううえたの」
「かわいい! S志サイズなんだね!」
「うん、あのね、なまえはね、ペコりんなの」
ほうほう。よく見るとミニ熊手の名札みたいなとこに「ペコりん」。
5月の教材セットのひとつだそうで。日曜日にやっていたのはこれだったのね。
「よし、S志、がんばってお世話するんだよ。ママにまかせたら、ペコりんは間違いなく枯れるからね。ホラ、S志が自分でやらないとあの鉢植えみたいになるよ〜」(脅し教育メソッド)
それからというもの、S志は、
◎朝はベランダにペコりんを出してお水をあげる
◎保育園から帰ったら家の中にしまう
これを欠かさず日課にするようになりました。
そして…
ペコりん2日目
動きなし。
ホントにタネ入ってんの? とつい疑ってしまったりして。
ペコりん3日目
※ひいっ写真撮ってませんでしたごめんなさい(致命的)
S志は朝から「ママ、きて! いいことがあったの〜!」と大喜び。
タネのひとつが発芽したのです。
そのあと、
「まだ、あかちゃんだから、よわいから……」
とブツブツ言いながら、
ペコりんハウスを持ってベランダをうろうろし始めました。
その日は風がちょっと強かったので、倒れないか心配になったみたい。
床に置いてみたり、台に置いてみたりと10分も右往左往して、ようやくベランダの奥に置いてあげていました。
ペコりん6日目
「S志、見て! ペコりんがふたばになってるよ〜!」
早くも子葉(しよう)が出てきました。当初はしまじ●うにうろんな目を向けていた私も、孫悟飯にほだされるピッコロさんのごとくすっかり夢中。S志もテキストを持ってきて、何度も開いて見比べては「つぎは、ハートのはっぱがでてくるんだって」と大はしゃぎ。
ところが。
この日、保育園に行く時間になっても、S志はペコりんをベランダに出そうとしません。
「S志、ペコりん、お外に出さないの?」
「……」
「自分でやるっていう約束だよね」
「……」
動かない。
夫もやってきて、「S志どうした?」とたずねると、やっと小さい声の返事が出てきました。
「かぜでとばされちゃうから、ペコりんは、おうちのなかにいれとくの」
「S志、ペコりんはお外に出してお日さまに当てないと、大きくならないんだぞ」
「……」
「心配だと思うけど、S志もペコりんに大きくなってほしいだろ」
「うん……」
夫に説得されて、ようやくS志はベランダへ向かいました。
ペコりん7日目
「ハートのはっぱでてきてるー!」
本葉(ほんば)が出てきました。
朝から、リビングで小躍りタイムです〜。
S志はいつものようにお水をあげながらうっとりしていたのですが、また保育園に行くころ、表情がかげってきました。
「きょうは、ペコりんおうちのなかにいれとく……」
「S志、昨日パパも言ってたけど、お日さまにあてないと大きくならないんだよ」
「とばされちゃうもん」
「昨日だって、とばされなかったでしょ。今日はお天気もいいし、大丈夫だよ」
「ペコりん、まだちいさいもん……」
S志はうつむいて、ちいさい体をぎゅっとさせています。
私の言葉を、怒るでもなく泣くでもなく、体いっぱいで拒絶しているのでした。
仕方ない(バスにも遅れそうだ)。
「じゃあ、今日だけ様子みよう。明日は、お外に出してあげなよ」と約束して、ペコりんはリビングのテーブルに置いて出かけました。
楽しくお世話してほしいのに、どうしたもんだろう。
その朝のやりとりを、保育園との連絡帳に、ちょっと書いたんですね。
そうしたら、担任のT先生がこんなお返事を書いてくださいました。
——2人の会話を読んでいると、
S志くん、
子どもがかわいくて心配な
お母さんのようですね^^
T先生も、2歳と5歳のお子さんのお母さんです。
それで思い出しました。
私も、S志の頭がりんごくらい小さかった赤ちゃんのとき、
ちょっと風に吹かれただけで病気になってしまいそうで、ちょっと気を抜いたらケガをさせてしまいそうで、外に出るのがこわかったこと。
実家の母に、電話で同じように説得されていたこと。
「S志を1日一度はお日さまに当ててあげなよ、そうしないと強くならないよ」
「でも、今日は風が強いもん。雨が降りそうだもん……」
S志もいま、新米ママさんなんだ。
赤ちゃんが病気になるのが、いなくなるのが、心配で仕方ないんですね。
ペコりんが、ほんとに大好きなんだなあ。
それが、2日前の話です。
昨日の朝は、こんなふうに話してみました。
「S志だって、もしお外で遊べなかったらつまんないよね。ペコりんもいっぱいお日さま当たりたいんだと思うよ」
S志はなんとか頷いて、ベランダに出してましたが、うーん、明日はどうだろな。
ペコりんと新米ママの成長、楽しみです。