ミルティンくんと男の自信
ミルクチャポンのサードシーズン、始まりましたね!
前回、制作現場をご紹介したオープニングアニメもとくと観ました。
あんなスケールの大きな話だったとは……。
私が最後に写真にとらえた、いまだかつてない表情のミルコップちゃんは、「あっ」と言うひまもないほど一瞬だけ登場しましたね。
そして衝撃だったのは、「ミルクアンビエントゆらぎ」です。
寝起きのゆらゆらした脳みそにこそ効果を発揮しそうな必見映像ですので、赤ちゃんのナゾの超早起き(S志にもよくやられました)とか、明け方泣きに悩まされている方はぜひ!
そんな興奮もありつつ、
10月は運動会の季節です。
わが家のミルティンくんことS志の保育園でも、もうすぐ運動会です。
今年のクラスの演目のメインは、てつぼう。
教室に小さなてつぼうとマットを敷いて、練習がスタートしたのは8月のことでした。
担任のK先生が毎日書いてくれる連絡帳を開くと、
てつぼう練習の第1日目はこんなふうにはじまっています。
——今日、手を貸しててつぼうで1回転させてみたら、
天と地が逆になったのが、よほどこわかったみたいで唖然。
あまりのびっくり顔に、私も心配になるほどびっくりしました
実はS志は人一倍、慎重な性格なのです。
赤ちゃんのころから、半径20センチ圏内でのひとり遊びが得意でして、
あぶないことはしない。転ぶくらいなら走らない。
でんぐり返りなどのパワープレーはいっさい拒否するかわりに、横断歩道の左右安全確認は誰よりも早く覚えて実行する男だったのであります。
そんな彼にとって、鉄の棒につかまって体を宙に舞わせるなどと!
ハッ! 笑止!!(震える頬)
てな具合だったのであろう。
まだ私は、気楽に考えていました。
K先生は、てつぼうの様子を毎日書いてくれました。
——『やろうよ』と声をかけても、
かたい表情のまま近づきません。
てつぼうからすぐ手を離してしまうので、降りるときは抱っこ。
『きっとできるようになるよ』というとウンでした
——今日は手を離してしまって、マットの上で放心していました。
でも、少しずつですが自分からやるようにもなってきました
——てつぼう、本当にこわいようですね。
やる前から力が入っちゃって。
あと少しの勇気、できたらきっと嬉しいんだろうな〜
9月になって、「ねえねえ、てつぼうできるんだよ」と嬉しそうなお友だちに囲まれるようになっても、S志の連絡帳に「できた」の一言は現れませんでした。
晩ごはんを食べながら、「絶対できるようになるよ」と肩をたたいても、
「てつぼうは、ちょっとだけだいすき……」
と、うつむき加減でもぐもぐ。
私もさすがに「だいじょうぶかなあ」と心のなかでため息をついてしまいました。
そして9月も後半に入って。
お迎えに行くと、S志が園の玄関まで飛び出してきました。
「ママにおはなしがあるの!
S志はこわいきもちをやっつけたの!!!」
その日のK先生の連絡帳です。
——今日、ひとりで、こわい前まわりができました!
『S志、やればできる!』と言うと、ウンウン。
そして、後ろを向いて涙をふいていました。
『もう1回やって、M先生とY先生にも見てもらおう』というと、
やり遂げて、他の子も拍手で『すごーい』って。
M先生たちも、私も、涙、涙でした。
自信になったね
うれしくて、ありがたくて、
先生たちにひれふしたい気持ちでいっぱいになりました。
そういう子だから、しょうがない。できなくたって、他のことでがんばれば。
そんな気持ちが、実は、ちょっとありました。
わかってあげることと、信じることをはき違えていたのかな。
先生たちの熱さ、信じる気持ちへ、もう全身でジャンピング土下座(古いですか)したいと思いました。
さて数日後。
てつぼうフィーバーの余韻はまだまだ消えず、
「やればできるよね」「できるよね〜」があいさつ化したわが家(アホですみません)。
バラエティ番組を見ていたら、「男の自信をつぶす手料理とは何か」というコーナーが流れていました。
「煮込みハンバーグ」(食材に手をかけすぎた料理の代表として)が紹介されていたのですが、それをジッと見ていたS志が、
「ママ、ぜったい、このおりょうり、つくらないで」
いきなりスクッと立ち上がりました。ブルブルしています。
「おとこのじしんがつぶれちゃうから。てつぼうができなくなっちゃうからね」
また新たなこわいものが生まれてしまいました。
が、がんばれ!