ミルティンくんのファースト・モテ期
今日、本屋さんで、
某奥さま雑誌のこんな見出しにぎょっとしました。
「妻として主婦として 第二のモテキ狙います!」
す、すごい。
すごいパッションを感じる。
読んでないので、そこにどんな世界が展開されているのかわかりませんが、その見出しからは、トキメキを求める情熱があふれていて、なんだか圧倒されてしまいました。
確かに、トキメキは女子のエネルギー源なんだと思います。
近ごろ、それをとみに感じているのです。
わが家のミルティンくんことS志には、Y美ちゃんというお友だちがいます。
誕生日が近いので市の一斉健診でよく一緒になり、赤ちゃんのころからいちばんの仲良し。
去年、はじめてのバレンタイン・チョコをくれたのもY美ちゃんでした。
そのY美ちゃんが、このあいだS志にお手紙をくれました。
「○○(S志の名前)、Yちゃんちにこんどあそびにきてね」
お手紙はちゃんと封筒に入っていて、
S志の大好きな仮面ライダーフォーゼのシールがいっぱい。
Y美ママに聞くところによると、きっかけはそのシールを薬局でおまけにもらったこと。ママが「S志にあげよう」と言ったら、はさみとのりを持ち出して封筒をつくり、シールを貼り出したそうです。
「シールそのままあげたほうがいいよって言ったんだけど、無言で。寡黙な職人のようでした」(Y美ママ談)
S志を喜ばせようと思ってくれたんじゃないかな。
Y美ちゃんの(若干謎めいた)情熱を感じて、うれしくなりました。
文末の「☆」と「♡」連呼も、アツい。
誰にも教わってない(Y美ママ談)のに、こういうラブラブ表現を使いこなしてるって、考えてみたらすごいことでは。
当のS志の反応はというと、
「わあーフォーゼのシールだあ!」
ええ。フォーゼしか目に入ってませんでした。
男子ってこんなレベル。うう。
さらにこのあと、シールのみはがして自分の連絡帳に貼り直し、
粘着力と乙女の気づかいを台なしにしておりました。
さらに、なんの星の巡りかY美ちゃんだけでなくM里ちゃんという女子からも、ラブレターをもらってしまいました。
このブツがまた、トキメキ含有量が半端じゃなかった。
ちょっと見てください。
3行目解読できませんでした…
(2行目はM里ちゃんの名前です)
注目はここです。
「おうじせんぱい」
王子……いわずと知れた最強呼称
先輩……誰もが一度は惚れる存在
この王子と先輩の重ね使いという、斬新かつ筋の通った表現。♡マークでダメ押し。
「最初見たときは、ウソでしょー! って叫んじゃったよ。お姉ちゃん(小学生)の話から言葉を覚えたんだと思うけど、絶妙すぎて家族で爆笑」(M里ママ談)
持てるボキャブラリーを駆使して、最高の呼び名を開発したのですね。
「女の子って、スゴイ」
M里ちゃんママとうなずき合ってしまいました。
女の子のほうが男の子よりも成長が早いんですよね。
でも、それだけじゃない気がします。
Y美ちゃんやM里ちゃんに限らず、保育園の子たちを見ていると、「いっしょにかえろ!」と誘うのも、「て、つないで」とねだるのも、いつも女の子。
「草食男子」という言葉が話題になりましたが、そもそも女の子のほうが積極的で狩る側の生きものに見えるのです。
だからこそ、男子が勇気出してくれるとキュンとしちゃうのではないでしょうか。
さて、2人から矢印を向けてもらっているS志はどうなんだろう。
息子の初恋。
ちょっとドキドキして聞いてみました。
「S志は保育園で誰がいちばん好きなの?」
「えっとね、Y美ちゃん」
「やっぱりね」
「とー、M里ちゃん」
「ああ、決めかねる感じね」
「とー、K子ちゃん」
「まだいるのか」
「とー、Y子せんせい」
「多いな」
「とー、T河くんのおかあさんがだいすき」
「……」
「あと、ゴーカイピンク」
うん、まだ恋とか早かったか……。
小学校高学年あたりから、男子と女子ってなぜか険悪になっちゃいますよね。「ちゃんとやってよ男子ー!」「うっせーな女子ー!」のあれ。
そうやってひねくれてからが恋愛の本番なのかもしれませんけど。
そう思うと、不安になってきました。
私はS志に彼女ができる日を楽しみにしているのです。でも、ひいき目にもイケメンとは言い難いS志にとって、女子からのトキメキアタックが炸裂している今を逃したら、次のモテ期がいつ来るかわからないですよ。あとで考えたら今がモテ運のピークだったってパターンもあるよ(5歳にして早くも)。
そうよ、ゴーカイピンクとか言ってる場合じゃないよ(クワッ)!
そんなことをモゴモゴ考えたり考えなかったりしていたら、
初詣でS志がこんなおみくじを引いてきました。
大いに反省してもらいたいものです。
そして幸せな恋を見つけてください。