ゴールデンウィークも後半ですが、いかがお過ごしでしょうか。
私は、先週末からかぜをひいてしまい、GW前半はふとんで過ごしてました。
やっと回復してみたら、関東は雨つづきというタイミングの悪さ……。うう。
今のところはそんな冴えない連休なのですが、
かろうじて月曜日の祝日は、お出かけしてきましたよ。
家の裏にある山を超えて、おいしい干物屋さんに魚を買いに行ったのです。
私の住んでいるところからその干物屋さんまでは、ふつうの道を歩くと1時間近くかかります。
でも、ひとつ山を越えると30分くらいで行けるんですよね。
月曜日はきもちよく晴れていて、
わが家のミルティンくんことS志も、
「きょうは、にっちゅうのきおんが上がるからね。はんそでのおようふくでおでかけするわ」
(朝のニュースの受け売り)
と半袖Tシャツを装備し、はりきって出発しました。
家から干物屋さんへの山道を歩いていると、いつも思い出すのが、
小さい頃大好きだったテレビ「水戸黄門」です。
あれってほぼ毎回、黄門さま率いるご一行が山道を歩くシーンがありましたよね。
たいてい、うっかり八兵衛が「そろそろ休みませんか? 近くにうまい店知ってんです。ネッいいでしょご隠居」とかなんとか言うんですよ。
助さん格さんは「ハチは相変わらず食うことしか頭にない」と呆れ、黄門さまが「仕方ありませんねえ。ちょっとだけですよ」といって、まちまで下りるというお約束パターン。あののんびりさ、好きだったなあ。
ちなみに水戸黄門シリーズは昨年12月に42年の歴史を閉じるまでいろんな俳優さんに演じられてきましたが、私のなかでご老公は永遠に西村晃です(どうでもいい)。
さて、歩き出すとかなり暑い。
もともとヘタレな上に前日まで風邪で寝込んでいたせいで、
「もう少しゆっくり歩いてくださいヨオ〜」と、早々にうっかり八兵衛化する私。
かなり先を行くS志は、木の根っこをひょいひょい越えながら、「ママ、もうすこしがんばりな!」とアニキ風を吹かせてきます。
ヒーヒー言いながらうつむいて歩いていたら、
だんだん鼻がみずっぽくなってきました。
風邪と暑さのせいで、はなみずスイッチがオンになったみたい。ただでさえ苦しいのにこれはまずい。
「ちょっと待って! 鼻かみたいから!」
大声で呼ぶと、
S志と先を歩いていた夫が、「S志、ママが鼻かみたいって」と足を止めてくれました。
そこでリュックからティッシュを出して、鼻をかんで顔を上げたらですね。
S志がなぜか、こんなことを。
S志も暑いの?
あまり深く考えず、再出発。
でも、しばらく歩いたらまたはなみずがフル回転し始めた。
「待って! また鼻かみたい!」
私の声に、S志はサッと足を止めてくれました。
そしてキリッと振り返り、
無言でまた腹を出したのであります。
「……?」
「ママ、もういいでしょ!」
「えっ」
「はだかみたから、もうがんばれるよね!」
……
ぽかーんとしていたら、横から夫が、
「『はだか見たい』だと思ってるんじゃないか……」
はなかみたい…… はだかみたい……
S志は、すがすがしい表情で腹を出しています。
そうだ、彼は今、ヘタレの八兵衛を励ます、助さんポジションなんだ。
ここで間違いを指摘したら、プライド崩壊まちがいなし。
私も夫も、(面倒くさいので)黙っていることにしました。
それからもはなみずは止まらず、鼻をかむたびにS志が腹を出すので笑いを必死にこらえると、またはなみずが出てくるという悪循環(はだか見たいスパイラル)は、山を下りるまで続いたのであった。
そんな苦労を乗り越えて買った干物、昨日、夕ごはんに食べました。
「これかいにいくときさあー、ママ、はだかみて、がんばれたね!」
「うん……」
そう、S志のプライドを守った結果、「疲れるとはだかを見たがる母親」というアレなイメージを持たれたままなのであります。
中学生になる頃くらいまでには忘れてくれるよね。
というかもうこの連休中に忘れてくれ。
なにはともあれこの連休、のこりはずっと晴れるといいですね!