ミルティンママのおうち de バター!
こちらでも書きましたが、
このあいだ、お家でつくるクリームチーズに挑戦しました。
思いのほか、おいしく、しかもカンタンにできた!
「ほんとに家でつくれるの?」と薄目になっていたぶん、食べたときの「ワー!」っていう感動はひとしお。わが家のミルティンくんことS志も、
「おうちでできたー!」
と、ジーコ監督によるなつかしのCM「ひとりででき太〜!」のコメントをほうふつさせる勢いで叫んでました(むだに細かいたとえ)。
そう、そしたらですね、人間って、一度感動すると、もっと強い感動がほしくなる生きものらしいですが……クリームチーズができた夜、実はすでに次の獲物(?)が頭に浮かんでいたのであります。
「つぎは、バターだ!」
「お家でバターがつくれます」って、最初聞いたときは「なわけない」と思ったんですけどね。つくれるらしいんですよ。
実はバターづくり、酪農のイベントに行くと、体験コーナーとしてよくお見かけします。大人気で、いつ見てもすぐ定員いっぱい。先着に間に合わなくて、私たちは、コーナーの外から物欲しげにのぞいたことしかありませんでした。
「バター専用機械とか貸してくれるのかな?」って思っていたけど、のぞいた限り、親子の皆さんが机に向かってるだけなんです。ナニカを手に持ってる。こぢんまりした姿勢で、手芸でもしてるような小刻みな動きしてる(背後からしか見えない)。えっバターづくりって、バターのかたちのフェルト工作のことじゃないよね?
今回、あのときの勝ち組親子さんたちの動きの理由も判明しました(フェルトではない)。
予想以上に、なんと、クリームチーズ以上に! カンタンでした
いろんな作り方があるようですが、今回は、「調べ学習のための酪農キッズファーム」(※現在メンテナンス中につき閲覧ができません。)が提供しているレシピをお借りしました〜(「チャレンジコーナー」で紹介されています)。
材料はこちら!
〈ひとり分〉
・牛乳 120cc
・生クリーム(動物性のもの) 80cc
・塩 少々
・片手で握りやすいフタ付き容器
容器はフタの裏側までよく洗います。乾かしたほうがいいかもです(私のは濡れててすみません)。塩はたくさん盛ってしまいましたが実際はひとつまみ程度しか使いませんでした
あとでわかりますが、「片手で握りやすい」容器というのがポイントです……! ペットボトルや、ふた付きのビンがいいらしい。お子さんとやるときは、割れる心配がないペットボトルがおすすめです。
バターづくりスタート!
①分量の牛乳と生クリームをボールに入れて軽くまぜ、冷蔵庫でよく冷やす。
すでにそれぞれ冷えてたけど、一応まぜたあと15分くらい冷やしてみました
②冷やした牛乳と生クリームを、容器に入れる
ふんふん。ここまではカンタンですね。
しかし!
おいしいものはそうカンタンには手に入らないんだぜ……という自然からの試練が、次に待ってました。
③約15〜20分、脂肪分と水分がはなれるまで容器をふり続ける!
20分! けっこう長いよ20分。よし、子どもにやらせよう(ピコーン)。
おっいい感じ! と思ったが……
「もうむり」
「えっ、まだ1分も経ってないけど」
「だって、ぷーさんみたいんだもん!(涙目)」
BSでたまたま放映されていた「くまのプーさん」に、幼児の興味を全部もってかれるという想定外の事態。しかし、バターづくりに、息子にテレビをあきらめさせている猶予なし。残り19分はひとりでふることになりました……
5分後。
とりあえずタテにふってみる。「ガボッガボッ」とやりがいのある音がたちます。牛乳がペットボトルの底とフタに交互に当たる衝撃が、二の腕にじわじわとダメージを与えだす。
10分後。
「ふり続ける」が、運動習慣ゼロの主婦にはわりときつくなってまいりました。ラクなふり方を求めて試行錯誤(あがきともいう)。バーテンダーさんがよくやる横ふりシェイクは、しんどいということがわかりました。手首がピキッとなるね。プロの動作が楽ちんなわけがないス。ショボン。
15分後。
「なにかいる」のを感じる……! 内側につく液体部分が少し水っぽくなってきた
パッと見は相変わらず真っ白ですが、ボトルのなかの音が明らかに変わってきました! 「ガボッガボッ」が、「ピシャッピシャッ」に。水っぽくなってきた。ふり心地も変化。「ピシャッ」のなかに「ゴトッ」という手ごたえがあるのです。なにかいる。ドキドキしてきます。
20分後。
しぶきが水っぽくなったのがはっきり分かる。下には黄色っぽいものがチラチラ
ゴトッゴトッという手ごたえがいっそうはっきり。外から見えないので期待感が逆に高まります。腕の痛さとかすっかり忘れて、ふり続けてしまいました。これが、バターシェイカーズ・ハイだ!!(コーフンしてもひとり)
④容器のなかにかたまりができたら、茶こしで水分をこす。
ボトルのなかに固形がくっついて落ちてこなかったので、こさなくても、ボトルを傾けて水分だけをジャーッと切ることができました。この水分はホエー(乳清)ですね。
このペットボトルの上半分を、
キッチンばさみでチョキッと切ります。すると!
できてました〜
バター!
バラバラしてるかと思ったら、ちゃんとまとまってる。
⑤水を切って、好みで塩をまぜる。
キッチンペーパーに包んで、軽くにぎるくらい。絞ろうとしたらこのあとペーパーが破れました……
茶こしの場合は、スプーンの背などで軽く押すといいそうです。塩、今回は入るか入らないかのほんのひとつまみにしておきました。
できあがり! いよいよ、食べてみよう!
クラッカーとはちみつで、フレッシュバター定食です!
とろーり。ごくり。
ひと口め、「バ、バターだ〜!」
舌に広がる濃厚な風味、ミルクの香り、コク、どれをとっても、完ぺきにバター! ちょい高いレストランでバゲットについてくるような、新鮮なバターの味。おいしいです〜。
できたての魅力は、なんといってもこのふわふわの食感。市販のバターを常温に戻したのとも違うやわらかさ。ふつうにバターだけが口に入ると油っこいけれど、このバターはすっと溶けていく感じ。口に残らないのです。口どけのいいアイスって、空気の粒がアイスのなかに入っているというけど、つくりたてのバターも同じことがいえるのかな。
「おお〜うまいねえ〜」
気づけば、S志が夫の口まねをしながら、つまんでました。
「これ、S志がさっき(一瞬)ふってた牛乳からできたんだよ! すごいね!」
「ねえ、このはちみつ、ぷーさんにみつかったらた・い・へ・んだよお〜」(バター見てない)
うむ、6歳児はプーさんの100エーカーの森にトリップ中、と……。でもそのあと、バターつきクラッカー全部食べちゃったのでおいしかったんだと思います〜
お料理に使ってもおいしいの?
フレッシュバターのおいしさはわかった。次に気になるのは、お料理に使ったときです! 何をかくそう、私、バターを使ったソテーが大好きで。味と使い勝手がどうなのか、やっぱり気になります。
なので、さっそくフライパン片手に冷蔵庫をひっかき回して、つくってみましたよ!
牡蠣ときのこのおうちバターソテー!
小麦粉をまぶした牡蠣と、椎茸・エリンギをバター大さじ1杯強で焼き、仕上げに塩こしょうのみ
つくっていると、熱されたバターのいい香りが部屋じゅうに。
「換気扇まわしてマンションの廊下にこの香りを流すことで、地域活性化につながるんじゃない?」と思うほど食欲増進効果が高い。こんがりきつね色の焼き色も、バターならではですね〜。
食べてみると、お、おいしいい! バターの濃い風味とコクがじゅわっと。ちょっとびっくりしたのが、油っこさが口に残らないこと。油くさくない。バターの香りだけが広がり続けて、口はさっぱりしてるのです。これは、できたてだからでしょうか。
今まで家でつくったバターソテーでいちばんおいしかったです。本当に!
市販バターもできたてはこんな感じなのかなあ。家の冷蔵庫でながながと置いてしまうから、香りも風味も落ちてしまうのかな。バター本来の味に、びっくりです。
ちなみに冷蔵庫で一晩冷やしたら、かたさ・質感も市販バターと同じ感じに。
生クリームは80ccしか使わないので、お菓子とかを作って余ったときとか、バターにして保存するとすごくいいと思いました!
このしあわせ食材が、ペットボトルをふるだけでできると思うとすごいです。テレビ見ながらバターができちゃう(一瞬くじけそうでしたが)。すぐできるし、わかりやすいので、子どもの体験コーナーに向くわけですねえ。
クリームチーズにつづき、おうちででき太シリーズを大満足に終えた今。
わたしの頭には次なる獲物が浮かんでいます。それは……
モッツァレラチーズ!
それはさすがに家とか無理じゃね? と思う方もおられましょうが、レシピは入手しましたぞ……。ついに、おうちででき太界のボスキャラに挑戦か。
やります、いずれっ!(本気の目)