ミルティンくんと、サンタの牛乳
「えっ、もう?!」「早すぎる」「嘘だと言ってくれ!」
そんな言葉があちこちで交わされる季節になりました。
12月。
大人の世界では、やらねばならぬ家事や仕事(や飲み会)が、せき止められた回転寿司のように大晦日めがけてたまっていく、1年最後のおそろしい月。
スケジュール帳に、あれやこれやを書きこみながら、戦慄している方も多いのではないでしょうか。
というかそれ今日の私のことです。
むうー。はあ。
思わずため息をついていたら、肩をポンと叩くものあり。
「ママ、みてみて」
「ん?」
ふり返ると、わが家のミルティンくんことS志が、やたらうれしそうに牛乳を飲んでいる。
飲んでは洗面所の鏡を見に行き、戻ってきてまた飲んで。
カウントしてみたら、みるみる3杯目に突入。さすがに飲み過ぎ?
このハイピッチの理由は何かというと……
「みてみて、サンタさん!」
そう、子ども界は今、クリスマスムード一色。
彼らにとって、誕生日に次ぐ輝かしいシーズンがやってきたのです。
子どもにとってクリスマスといえば、やっぱりサンタなわけですよ。
「サンタさんかぜひいてないかな」
「サンタさんておじいさんらしいよ……」
「うちのにいちゃん、サンタみたんだ!」
保育園のみんなの会話に耳をすますと、あちこちでサンタネタ。ワイドショー好き主婦かと。
5歳児はまだまだ全力でサンタ信じてます。
お父さんお母さんは、この時期けっこう大変です。
プレゼントをあげるにも、うかつに「ハイ」なんて手渡したら、子どものハートはこなごな。
サンタの存在をいかに楽しく組みこむかが、12月の重要案件となってくるわけです。
去年のわが家もそうでした。
私は「世間はクリスマスですなあ」と横目で眺める程度で今まできたもので、サプライズも、くつ下をぶら下げるくらいしか思いつかず。
そこで、仕事先の先輩ママの皆さんに、「クリスマスってなにやってました?」とアドバイスを求めたのでした。
楽しいアイデアをたくさん教えてもらったので、いくつかご紹介します。
圧倒的にやってる率が高かったのはこれ。
サンタさんへのお手紙
欲しいプレゼントはサンタさんにだけ伝えるつもりで、親にはヒミツにする子も多い。
そこで無理に聞き出すことなく、予算及び購入経路の事前検討に此の手紙大変便利也(万が一このブログをお子さんが読む可能性を考え難解にしてみました)。
読み書きが少しできるようになったらやりたいのがこれ。
子ども部屋へのサンタさん用案内
イブの夜に、子どもと一緒に紙に書いて、家じゅうに貼るんだそう。
その案内を見ながら、自分の部屋に入ってくるサンタさんを想像すると、確かにわくわくしそうですね!
新鮮だったのがこれ。
プレゼントはツリーの下に隠す
プレゼント置くの、「枕もと」がメジャーだと思ってた。
キリスト教圏では、ツリーの下も一般的なのだそうです。教えてくださったママSさんも、キリスト教系の幼稚園出身。
ツリーの脚を覆う布(「ツリースカート」というらしい)の下にプレゼントを隠しておくんだとか。
枕もと方法だと、「偶然起きた子どもと目が合う」というリスクがつきものですが、ツリーの下なら、安心ですね。わが家の直径20センチのしょぼツリーの場合はこうなりますが。
で! いちばん魅力的だったのがこれなのです。
サンタさんのために牛乳とクッキーを用意する
欧米ではごく一般的な習慣なんですね、これ。
イブの夜にテーブルに置いておき、子どもが眠ったら、牛乳を半分、クッキーをひとかじりしておく。サンタさんが来た証拠に。
なんと、牛乳大好きミルティンくんにぴったりのサプライズ!
「うちもやってた」という方が多いのですが、私はまったく知りませんでした。
クッキーは3枚、とか、トナカイの分のにんじんも用意する、などお家によってやり方はいろいろですが、牛乳&クッキーは鉄板コンビのようです。
そういえばクリスマス絵本の名作『さむがりやのサンタ』(レイモンド・ブリッグズ著)にも、これを食べているシーンが登場しますよ。
これ、サンタ来訪にがぜんリアリティが出て、楽しいぞ。
さっそく去年やってみたのでした。
「キャーーーー!」(マンガのような黄色い声)
うれしさのあまり廊下を爆走。
「サンタさんきたのS志わかってたの! あしおとしてた!」と、めいっぱいふくらんだ鼻の穴。なんだろう、まぶしいっ……!
たぶんあと数年で、このS志もサンタを卒業してしまうんだろうな。
無宗教のわが家では、子どもがサンタを信じてるうちがクリスマスの華。
ゆくゆくは、プレゼントをねだられるだけの日になるのであろう(自分がそうだったように)。
クリスマスまで、あと少し。
残り少ない黄金期、しっかり楽しんでおこうと思います!