• ベテランママは一日にして成らず

     

    毎日、寒いですね!
    土曜日に、海沿いの公園でたこあげをしてきました。

    わが家のミルティンくんことS志が、
    保育園でつくってきたビニールのたこです。
    マジックで仲良しの男友だち4人組が描かれてます。
    海風に乗って、なかなかよく、仲良く飛びました。
    (意味もなくダジャレてみました)

     

    そんなたこを見ながら、ちょっと心配なことがありまして。

    その前の日つまり金曜日。
    仕事先のデスクで仕事をしていたら、スタッフのT田さんが、
    うつむいて携帯電話をじーっと、見ています。
    どうしたんだろうと心配になるほど、かたまっている。
    しばらくしてお昼ごはんのとき、T田さんがわけを話し始めました。

    「さっき息子のお友だちのお母さんからメールが来たんです」

    どんな顔したらいいのかわからないというような
    微妙な面持ちのT田さん。
    これはちょっとまじめな話だぞ、と思いました。

     

    T田さんは小学校4年生の男の子のお母さんです。
    メールをくれたのはクラスメイトBくんのお母さん。メールには、

    ——話したいことがあるので、今日の夕方、駅で待っています

    と書かれていたそうです。

    「これはたぶん、R(息子さん)が何かやらかした話だと思います」
    「いやあそんな」と軽く言ってみたら、
    「ううん。こういうメール、初めてじゃないの」と真顔。

    「BくんとR、仲が悪いわけじゃないんだけど、
    よくケンカしているみたいで。
    ケンカすると、お母さんから直接メールが来るんですよ。
    『RくんがBにこんなことしたんだけど、知ってた?』って。
    今回はわざわざ会って言いたいって、
    なんだろう。どんな話なんだろう……」

     

    「えっ。子どものケンカで?!」

    思わず声をあげてしまった。
    一緒に話を聞いていたK下さんがうなずきました。
    K下さんはすでに娘さんは成人しているベテランお母さんです。

    「私も、娘が小学生のとき何度かあったわよ。ケンカした相手のお父さんが、君がやったのか、ってお友だちグループ全員の家に電話をかけてきたり」

    そ、そうなんだ。
    保育園では聞いたことない話です。
    小学生になると、親同士の関係もかなり変わってくるのかな……。
    ついT田さんのことそっちのけで(ひどい)、
    「小学生の親」という未知のステージにビビり出す私。

    にわかにしんとしてしまったテーブルでしたが、
    K下さんがふいに箸を置き、「もし、そのメールが本当にそういう話だったとしたら」と、T田さんに向き直りました。

     

    「どんな話をされても、まずは『話してくれてありがとう』と言おう」

    ——それだけで、相手の気持ちは半分以上、たぶん満足する。
    誰かに言いたい、無かったことにしたくない気持ちが強いと思う。
    子どものケンカは、どっちが良い悪いってわからない。
    芥川龍之介の「藪の中」じゃないけど、2人の言い分はぜったいに噛み合わない。
    現場を見ていたとしても、親は自分の子を信じたいもの。そこを白黒つけようとしないほうがいいですよ。

    これがK下さんのアドバイスでした。
    私も、「何か言わな!」というへんな焦りにかられて、

    「浮かれた音楽がかかっているお店で話したらどうですか。公園とか駅のベンチとか静かなところで2人きりだと、感情が高ぶってしまうおそれがありますし!」

    と言いましたが、これって夫婦間で離婚を切り出すコツだったわ。
    (このあいだ美容院にあった雑誌で読んだ記憶)
    T田さんは、
    「そうですね、まずは聞いてきます!」
    と言って、Bくんのお母さんが待つ駅に向かいました。

     

    あれから、どうなったんだろう。
    私がT田さんだったら……?
    Bくんのお母さんの立場になることだって、あるかもしれない。
    そんなことを考えて、この週末はもや…もや…しておりました。

     

    そして、週が明けて今日!
    T田さんに会いました。

    やっぱり、RくんがBくんに嫌がらせをしたという話だったそうです。
    T田さんは「いろいろ、言い返したいこともあったけど」と言ってから、

    「なんとか最後まで聞いて、
    『話してくれてありがとう』って言ったら、
    Bくんのお母さんが、泣いちゃって……。
    さいごは、2人で、泣いちゃった」

    RくんとBくんのトラブル自体は、担任の先生と一緒に
    学級会でも話し合い、子どもたちの間で解決した話でした。
    Bくんのお母さんは、学校に連絡したらそう言われて、
    「Rくんのお母さんにも知っておいてもらいたい」と使命感のような気持ちだったそうです。

     

    S志が小学生になるのは2年後。
    心のメモ帳に、今回のことをしっかりメモしようとうわの空になっていたら、

    「あ、お店はね、○ンタッキーにしたよ。
    喫茶店より浮かれてて良かったよ」

    と笑顔のT田さん。
    あっ、離婚話のコツだけど役に立ったのですね。
    もめる話は○ンタッキー、と……(メモメモ)。
    離婚話のコツは、親同士のもめごとにも応用可、と……(ホント?)。

レシピ一覧
3月 モー子の桜色ミルクカフェ
2月 ミルコリー野のチーズdeショコラ
1月 ばあちゃんのぽかぽかミルク手当て
12月 サン太のミルククリスマス
11月 イモ子とクリ男のミルクキッチン
10月 ボンジョル野のミルクイタリアン
9月 マイクさんのミルクブランチ
8月 ケンちゃんの夏やすみるくアイス
7月 マサラ田さんの夏カレーセット
6月 コバヤシさんのミルク御膳
5月 陳さんのミルク中華
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