MILK JAPAN（ミルクジャパン）

このあいだ、わが家のミルティンくんことS志は、パパとお出かけしてテレビゲームを買ってもらって帰ってきました。
「ゲームは日曜日の朝だけ」という約束だったのですが……

月曜日に保育園から帰ると、

 

「きょうだけ、とくべつ！　ちょっとだけ！」
「パパと約束したんでしょ、特別はなし！」

 

案の定、さっそくこんな展開に。問答をくり返し、

「S志、やりたいきもちをがまんできないの〜」

さいごは、泣き出してしまいました。
うう。子どもにゲームを見せたら、こうなるのは目に見えていたのよ〜。
夫が帰ってきたら警策で打ちすえたい衝動にかられつつも、今をなんとかせねば。

「じゃあさ、夕ごはん作る前に、ゲームより楽しいことして遊ぼうよ」

ふだん保育園から帰るとすぐ私がキッチンに向かってしまうので、S志はさみしがってよく「ごはんつくるまえに遊んで！」と言っているのです。でも今日は好きなだけ遊ぼう！　という提案なのでした。
S志もそろそろ泣き疲れたころです。

 

「ぬりえする……」

 

赤い目のまま、色えんぴつやスケッチブックを並べ始めました。

S志のリクエストで、さいしょの１枚はミルコップちゃん。
「ママの絵にはS志がぬるから、S志の絵は、ママがぬって」。ぬり絵は、とりかえっこルールになりました。

 

取っ手＆ちびコップ（なぜかヘビが出て足がプラプラしてる）が描き足されていた

 

「あと１まいかこうね」「もう１まいで、さいごね」とS志はすっかりノリノリ。テーブルはぬり絵でいっぱい。時計は20時。えっ。クラッ。

「そろそろごはん作るねっ」（お米炊くのも忘れてた）
「まって！
S志がこれで、かみしばいやるからね！　それみてからね！」
「ええっ」

 

はい、というわけで、いきなりですが、

 

「ミルコップちゃんの（微妙な）ぼうけん」

 

はじまりはじまり〜！！

※おなじみiPhoneさんの録音機能で、S志の行き当たりばったりストーリーをそのままにお伝えします

 

 

ミルコップちゃんがいました。
そうだ、うさぎこうえんと　おうちこうえんにいこう。
でかけることにしました。
とおいとおいみちをあるいて　おでかけにいくのです。

 

まちにでました。いろんなおうちがあります。
S志くんちもあります。
エレベーターをのぼっていきました。５かいにつきました。
そこはなにがあるのでしょう。

 

まずは　５かいのベッドにいきました。
５かいのベッド、S志くんのベッドでは
ウルトラマンが
花火をしていました 。（ヒーローにあるまじき行い）
これはすごいです。

 

もうすこしいくと、
ミルコップちゃんとおなじかおをしているうさぎがいました。
「わあ、ぼくのかおとおんなじかおだー」
といいました。

 

もうちょっとさきにいくと　おへやがありました。
みんな　あそんでいます。
あそんでるところをみると
なにか　きもちがよくなってきました 。（漠然）
それでミルコップちゃんは
どこかこうえんにいきたくなりました 。（当初の目的）

 

とちゅうで、
（額にトヨタとホンダのマークをつけた）おばけにあいました。
「おばけちゃん、なにをしているのですか？」
ときくと、
「フラダンスをしているのです」
「フラダンスってなに？」
ともういちどきくと、
「フラダンスって、こうしてねばねばしてやるものだよ」（認識に疑問）
といいました。
「ぼくもやりたーい」といいました。
「だめだめ、あしたのあさね」とおばけちゃんはいいました。
「はーいわかりましたー」とミルコップちゃんはいいました。

 

そうしたら、きゅうに、あらふしぎ。
おんなじかおをしてる　おともだちがきました。
「どうしたの？」ときいたら、
「ここであそんでんだー」といいました。
「ぼくたちといっしょにあそぶ？」
「ううん、だいじょうぶ。ぼくね今から、こうえんにいくんだ」
「はーい、じゃあまたあとでねー」

 

※一番下の物体が謎

こうえんに　つきました。
「ウィ〜やるきまんまんだェ〜」
とミルコップちゃんは
こんなこえでいいました 。（やにわに泉谷しげる化）
「こんなのがみれるなんてはじめてだー！」
といって、がしゃがしゃがしゃがしゃ　あそびました。

 

おわり

 

大号泣からの、紙しばい。思いがけず楽しい夜になりました。
夕ごはんはラーメンでなんとか時間を巻き返しました。
夫の晩ごはんはなしになりました。
安易にゲームを買った報いなのです（ほんとは手が回らなかっただけ）。